yukihiro084

アラバマ物語のyukihiro084のレビュー・感想・評価

アラバマ物語(1962年製作の映画)
4.8
父親って。父の背中って。
僕の背中は、どう見えているんだろ?

先日、息子に言う。
『やさしさって何だと思う?
 お友達にやさしくね、とか、
 お年寄りにやさしくね、とか
 言われても、よくわかんねぇだろ。』と、
妻に強い口調で屁理屈を言っている
息子に言う。
『相手の言葉を聞くことだよ。
 自分が言いたいことをちょっとだけ
 我慢して、ちょっとでもいいから
 相手の言いたいことを聞いてみる。
 お友達や、先生や、お母さんの
 言いたいことを頑張って聞いてみる。
 それが、やさしさだよ。
 はい。お母さんのお話をちゃんと聞いて。』

この作品は、1962年に作られた。
キング牧師が有名な演説をする1年前。
ミシシッピーで3人の公民権運動家が
失踪する2年前。デトロイト暴動が起きる
5年も前に、この作品は作られた。

(アパートの鍵貸します)のレビューを書いて、
あぁ、これも書かなきゃって。
これも好きな作品。

グレゴリー・ペック演じる白人の弁護士が
黒人の青年を弁護することになります。

この映画には、素晴らしい台詞は多いです。
そしてこの映画を素晴らしくしているのは
子供の視点であること。

白人の視点も黒人の視点ももちろん
あるんですけど、
全体に、子供の視点で描かれていること。

自分の父親が、罪を犯していない
無実な人を、無実ですと言っているだけ。
子供からしたら、答えは明白です。
子供なら誰でも、嘘はいけない、と
教えられているから。

でも映画は、子供にはとうてい
理解出来ない展開を見せてゆく。

それでも子供たちは、父親の背中を見る。
父の背中を信じる。父親って。
僕の背中は、どう見えているんだろ?