異なる者を理解する難しさと、その素晴らしさを描いた傑作。
子どもの視点で描かれているからこそ、本作のメッセージには説得力がある。
子どもは意味もなく、自分と異なる他者に対して偏見を抱いてしまうもの。彼らが様々な出来事を通し、他者への理解を学んでいく過程に感動する。
そしてその規範となる父親の存在感。大して金持ちでも敏腕でもない弁護士だが、「ヒーロー」とはその精神に宿るもの。
公開されたのは、公民権運動が盛り上がる60年代。「アメリカの良心」をこれでもかというくらい体現したグレゴリー・ペックが見事。