らんらん

アラバマ物語のらんらんのレビュー・感想・評価

アラバマ物語(1962年製作の映画)
3.5
弁護士であるアティカス(G.ペック)は男手一つで10歳になる息子のジェム、6歳になる娘のスカウトを育てている
この度黒人青年の弁護を引き受けたことで、様々な脅しや嫌がらせが自身や家族にまで及んでいく、、、

ストーリーは当時6歳であるスカウトの目からみた回想って形式をとっているみたい
いくらど田舎、昔にしても杜撰な調査と裁判だなーって思ってたら1930年代とかのお話なのね

現代の感覚から見るとえ?え?ってことが多いんだけど、この辺は当時の黒人がおかれている状況が、常に差別や偏見が当たり前にあった時代ってことが前提のお話みたいですね

アティカスは公平な弁護をするも陪審員たちの出した結論は有罪、、、このやるせなさ
黒人差別とか戒律とかそんなのも絡んできてる問題なので難しい、当時の陪審員たちからすると事なかれ的に丸くおさめようとしたのかなぁ?
立場の弱いもの、特に黒人に対しての裁判においてはよくある、当たり前のことだったのかも
なかなか考えさせられ、勉強になりました

あらすじ書いていくとお堅い裁判もののように思えるんだけど、実際見てみると裁判シーン自体は短い
何気ない子供達の暮らし、遊び、そんな視点を通しての裁判や関連する事件が描かれ
子供達を守ろうとする父親、父親を守ろうとするけなげな子供達、といった家族の物語ともなっています

ノスタルジー感あって昔は良かったって部分もあるんだけど、その一方で偏見や差別も強かった時代で
さらにのどかな田舎だからこそってのもかなりあるかと
ラストの大岡裁き的な考えは良いことに思えるけど、黒人青年の件に関しては悪い面が出ちゃったみたいな

ただ真実を明らかにすることが必ずしも良い結果になるとは限らないっていう、現代にも通じる考えさせられるお話でした
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