アキラナウェイ

ケープ・フィアーのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

ケープ・フィアー(1991年製作の映画)
4.7
オリジナルの「恐怖の岬」とどちらを先に観ようかとも思いましたが。

90年代っ子なんでリメイクであるコチラから。
*90年代生まれではないです。

デニーロが凄い。
大事な事なんで、もう1回言います。
デニーロが凄い。

16歳の少女を強姦した罪に問われるべきだったマックス・ケィディ(ロバート・デ・ニーロ)。公選弁護人サム・ボーデン(ニック・ノルティ)の取り計らいにより、強姦罪ではなく、暴行罪として判決は下り、犯した罪に比べ、軽微に処せられた筈だったが、マックスは弁護に手抜かりがあったとして逆恨みの念を持つ。14年の刑期を終え、男は戻って来る。弁護人への復讐心を燻らせながら。

THE・逆恨み!!

まぁ、実際に手抜かりはあったんだけどね。
サムにしたら、「弁護してやったのに何やねん!」だよなぁ。

さぁ、始まります。
デニーロによる嫌がらせ劇場!!

出所したぜ、のご挨拶から始まって、サムの家族をばっちりストーキングするマックス。

サムの娘役にまだ幼さの残るジュリエット・ルイスこと八千草薫。嗚呼、ホントに似ている。八千草薫と瓜二つ。

全編通じて鬼気迫るデニーロの演技に圧倒されっぱなしである反面、ジュリエット・ルイスの白にも黒にも染まり得る純真無垢な少女としての危うさを体現した演技が素晴らしい!!

若いと言っても当時48歳のロバート・デ・ニーロ。
現代で言えば、ユアン・マクレガー、ジェレミー・レナー、ショーン・アスティンが丁度同じお年頃。

若さのピークは過ぎつつも、脂がのって、演技に磨きがかかり、役者としては二度目のピークを迎えた辺りかな。

暴走しがちな衝動を描く「タクシードライバー」を彷彿とさせながら、演者が歳を重ねた分、衝動的な怖さより、用意周到かつ聖書的、哲学的なアプローチを見せる本作の方が厭らしさで勝る。

車にしがみついて何処までも追い詰める執念よ。

ど ん だ け ー ー ! ?

罪のないワンコが犠牲になったのは可哀想。

そして圧巻のラストシークエンス。
川の激流に翻弄されながら、弁護士一家の運命と復讐者の運命と、どちらが正義となり得るかを賭けた最期の戦いが凄まじい!!

巨匠マーティン・スコセッシが不穏な空模様も復讐者の澱んだ心模様もとことんまで魅せてくれる傑作!!

クレジットにはないものの、制作にスティーヴン・スピルバーグが参加しているのもあってか、エンターテインメント的な面白さも保証済み。

めちゃんこ面白いです!!