ハードボイルドの必修科目、ウォルター・ヒル監督デビュー作。主演はハードボイルドの一般教養、チャールズ・ブロンソン。タイトル、ハードボイルドの刻。
みどころ:
説明無意味のブロンソン映画
太鼓持ちをするJ.コバーン
いつもの引きすぎ演出
中身がありそうで無い
弱過ぎる噛ませ犬達
あらすじ:
ふらっと現れたブロンソンが悪党を叩きのめして哀愁を背に去っていった…
本作品には、面白くなる糸口がたくさんあります。
まず、ブロンソンが(見たまんま)オッサン設定だということ。ストリートファイターにしては“年増”というハンデがあるわけです。
次に、ブロンソンが鍛えているということ。のんびり射撃でなんとなく皆殺しにする平素のブロンソンではなく、ちゃんと“マッチョ”という説得力を備えていて、医者キャラのお墨付き(「こりゃ骨折しない拳の形だぞ。」「この頬骨の角度、KOされないな。」)もあります。
そして、(ブロンソン映画なのに)脇役が立っているということ。ブロンソンのプロモーターを務めるジェームス・コバーンは博打で身を滅ぼしており、アメリカンニューシネマ的な死と、その後の弔いを予感させます。
が!
しかし!
ところがどっこい!
そういった下地は何一つ活かしません。ロジックもドラマも、ハードボイルドにとっては邪魔だからです。伏線を無視するというハードボイルド、これがハードボイルドミスリードです。
悪党は難なく一掃され、辛い死など訪れず、“愛ゆえに女に背を向ける”ブロンソンで〆。21世紀を生きる少年たちよ、これがハードボイル道だ。