ろくすそるす

復讐鬼のろくすそるすのネタバレレビュー・内容・結末

復讐鬼(1969年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

 若松監督の描く、暴力と性の陰惨な世界。閉鎖的な山岳地方の部落で、妹チエを農民たちに強姦された挙げ句、縄に吊され、袋叩きにあった青年が九死に一生を得て、『丑三つの村』の古尾谷雅人よろしく「皆様方よ、今に見ておれでございますよ」と、日本刀片手に復讐の鬼と化す壮絶なリベンジムービー。レイプシーンが余りに酷く、目に焼き付いて離れない。そして、意地汚く、欲望にまみれた農民たちがバッサバッサと斬り殺されていくのだが、設定といい描写といい、韓国映画の傑作『ビーデビル』に通じるものがあって、全く古びていない。「貴様の血とおれの血とは何が違うんだ!」という台詞が、この作品のメッセージの全てを言い表している。そんな秀作だった。
 主人公がどことなく、『竜馬暗殺』の松田優作風のルックスで狂気を帯びていて良い。