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寄宿舎 悲しみの天使のHitomiのレビュー・感想・評価

寄宿舎 悲しみの天使(1965年製作の映画)
3.0
こちらの映画で結末が納得いかないとのことで『トーマの心臓』を描かれたそうです。
最後に死んでしまうところから逆算して、トーマがいない欠落から始まることも、優等生で心を閉ざしているユーリと感情を爆発させるエーリクの凸凹が成長過程を強調していて、完璧です…

『トーマの心臓』はミステリだと思います。
謎があることで冗漫にならず、11人いる!のように謎は脇役になっている上品さもあり、ユーリの心理描写も置いていかない、(ミステリ小説でいうwhyの部分。)やっとの思いで連載にこぎつけたため、毎週読者が気になる構造にするエンタメ魂が素晴らしいです。

好きな作家さんの、好きな作家さんの、影響を受けた作品という芋づる式に見ました。

ボーイズラブや性暴力という簡略化された範疇に収まらない、むしろそこは傍流で、心を開いて人を愛するまでの過程や家庭環境、それぞれの背景、人間の成長を描いた作品だと思いました。(ここまで全て『トーマの心臓』の感想でした。)
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