こちらの映画で結末が納得いかないとのことで『トーマの心臓』を描かれたそうです。
最後に死んでしまうところから逆算して、トーマがいない欠落から始まることも、優等生で心を閉ざしているユーリと感情を爆発させるエーリクの凸凹が成長過程を強調していて、完璧です…
『トーマの心臓』はミステリだと思います。
謎があることで冗漫にならず、11人いる!のように謎は脇役になっている上品さもあり、ユーリの心理描写も置いていかない、(ミステリ小説でいうwhyの部分。)やっとの思いで連載にこぎつけたため、毎週読者が気になる構造にするエンタメ魂が素晴らしいです。
好きな作家さんの、好きな作家さんの、影響を受けた作品という芋づる式に見ました。
ボーイズラブや性暴力という簡略化された範疇に収まらない、むしろそこは傍流で、心を開いて人を愛するまでの過程や家庭環境、それぞれの背景、人間の成長を描いた作品だと思いました。(ここまで全て『トーマの心臓』の感想でした。)