時代のなせる技。これに尽きるのではないか。いま、これをやれと言われても出来ると思うが、どうも興醒めしてしまう。それは、未来に対する絶望が、現在では諦観に変化しているからだ。いまも、絶望はあるが。
その絶望が美しい。破壊が美しい。どうしてこうまで、この時のエヴァは美しいのだろうか。それは一つにまだ壊した後に何か新しい何かが残るという一縷の希望があるからではないか。輝きがないものに美しさはない。
まだ、この時代には絶望を這ってまで希求する希望があるようにこの映画から勝手に感じた。
壊された後に残ったものは決して素晴らしい答えではないが、現実を直視した一つの回答に思えるのは自分だけだろうか。