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狂走セックス族のblacknessfallのレビュー・感想・評価

狂走セックス族(1973年製作の映画)
2.9
セックス族と銘打ってるけど、そんなにセックスしない笑

なんかアメリカのイージー・ライダーとかワイルド・エンジェルなんかのバイク映画を目指してる気がした。

バイク映画じゃないけどバニシング・ポイントで全裸でバイク乗る女の子がでてくるんだけど、それを意識してか全裸でバイクに股がる女暴走族、4人組が出てくるんだよ。
最初はみんなツナギ着て走らせてるんだけど、その段階でジッパーを胸まで下げておっぱい丸出しなんだよ。
で、停車したらみんな全裸になってて、おまけに自慰行為を始める👀‼️
意味不明だけど、東映特有の野郎目線とアメリカン・テイスト指向が混じってこんなことになったんだと思う笑

かなりインパクトのある女暴走族だけど、残念なことに以後話に絡むことはない笑

メインのストーリーはバイクのスピードの虜になった若者バイカー2人の決闘。
金持ちのボンボンで生きる実感に飢えて暴走行為を繰り返す淳也は、ことあるごとに自分を徹底的にマークする白バイ警官の本郷(渡瀬恒彦)に敵愾心を抱く、白バイと同じナナハンなら本郷を巻けると思い、せっさく親から金をせしめようとする。
しかし、父親はバイクに理解がないのであっさり断られる。
ナナハンが諦められない淳也は、なんと自分の知り合いの女性を使って父親に美人局を仕掛ける!
これが成功しナナハンを手に入れる笑

この淳也、一方の主役なんだけど、かなり悪辣なんだよな、鬱屈をスピードで投じる怒れる若者的に見せたいはずなのに、感情移入しにくい行動が多いんだよ。
暴走して止められ手酷く殴られた本郷憎しで、本郷の恋人を寝とり、わざわざその現場を本郷の見せつけるように仕組んだり笑
こいつ、単に我儘で陰湿なボンボンだろ、って怒りと軽蔑が笑
そんな性格なのに淳也の鬱屈に共感を示すセクシー美女(杉本美樹)が現れてあっさり恋仲のに、、何でこんなヤツがモテるのかと笑

一方、本郷の方も正義感から警官になったわけじゃなくて、家が貧乏でバイクを乗るには白バイ警官になるしかなかっただけで、根は淳也と同じスピード狂なんだよ。
だから本郷が淳也を目の敵する理由はよく分かる。
本来自分がしたいことを何の苦労もせず淳也がやってるように見えるから。
取調室で淳也から「俺に嫉妬してるだけだろw」と挑発され上司の目の前で淳也をボコボコにしてしまう。

お互いやるせなさ背負いスピードにのめり込んでいく似た者同士ゆえの憎悪はマックスになり、クライマックスはまさに狂走と言えるバイク・チェイスになる。勝つのはどっちだ!?

完全に青春の挫折みたいな映画を狙っていて、うまくいってる部分もあるんだけど、そこは東映なんでやっぱどんどんダサく泥臭くなっていくんだよ。
うまく言えないんだけど、主演2人が若いのにあんま若者に見えないんだよ笑
バイカーファッションなんだけど、微妙にいも臭い笑
日活の野良猫ロックシリーズ的な暴走する若者の怒りをやってるつもりなんだろうけど、野良猫ロックと比べると話にならないぐらいダサい笑

音楽も日活が得意としたロックバンドのライヴシーンの挿入なんかもやってるけど、そのライヴの撮り方もモッサイんだよ笑
上田正樹が彼のバンドとフューチャーされてて曲は悪くないのに撮り方でダサくて気の毒になった、、笑

なにかそーゆーセンスや素養がない人が無理やり不良っぽい振る舞いやファッションをしてるのを見た時と似た居たたまれなさに襲われた笑

違うことを目指しても東映でしかないテイストになってしまうぐらいこの頃の東映には色があったってことかな笑
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