三四郎

男はつらいよ 翔んでる寅次郎の三四郎のレビュー・感想・評価

4.6
この作品は傑作だ!いい話だった!好きだなぁ!!これを見てやっと『男はつらいよ』の良さがわかった!
田園調布のお嬢さんを寅は「そうかぁ、田園地帯の娘さんか」と大勘違い笑
桃井かおりがこんなに魅惑的かつチャーミングな女優だとは知らなかった!彼女はいい女優だ、ミステリアスだ。あの独特な台詞回し、粘っこく引きずるようで苦手なはずだがそこがまた甘えた感じでなんとも言えずよかった。
結婚式での花嫁逃走は『或る夜の出来事』『卒業』と名作に取り入れられている演出だが、この作品の場合は、これをクライマックスとするのではなく、ここから物語のテーマに入って行くからおもしろい!
素晴らしい!
寅さんファンや批評家からはそれほど評価されていない作品かもしれぬが、私はこの作品を最も評価する。
木暮実千代が田園調布のマダム役、桃井の母役。「お母さん、倖せ?」と聞き、母の考える幸せと自分の考える「倖せ」は違うのだと深窓の令嬢は嘆く。新郎の布施明もいい味出してる!このボンボンとお嬢ちゃんの成長物語だ。
一度目の豪華な大披露宴、二度目のちっさなちっさな結婚式。勘当された布施だが、妹だけが自分の意志で兄の結婚式に来る、そして祝辞を述べる。兄が家を出て行ったことに否定的、いや「可哀想、あの花嫁さんのせいね」などと思っていたが、妹も兄を理解したのである。桃井の母も遅れて登場するがこれも良い!甘やかして育てた娘、やはり可愛くて可愛くて心配で仕様がない…これぞ母の愛。
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