ノッチ

悪魔スヴェンガリのノッチのレビュー・感想・評価

悪魔スヴェンガリ(1931年製作の映画)
3.5
音楽家であり霊能力を持つスヴェンガリは友人の画家を訪ねた時、モデルのトリルビーに出逢う。

彼女を愛してしまったスヴェンガリは、得意の催眠術で彼女をわがものにしてしまうが…。

ジョン・バリモアが主役を務めた怪奇映画の原点と言える作品。

『カリガリ博士』などと並んで古典に数えられているとありますが、そこまで奇抜なセットではありませんでした。

一見すると、ベラ・ルゴシの演技にも通じるかのような、ジョン・バリモアの眼力を売りとした善悪二元論的な怪奇映画と思われがちである。

しかし、催眠術関連以外はいたって普通のドラマ。

催眠術で金づるをゲットし、使い物にならなくなったら自殺させる男が、女に惚れて催眠術もかけるのだが、逆に命も助け、芸も教え…けど催眠術でなく彼女に惚れられたい、って思う話。

男の目が白く光り、それを見つめていた女がマリオネットと化していく所などはまるでマンガだ。

しかし、容姿もさることながらジョン・バリモアの演技はなかなか魅せる。

さすがドリュー・バリモアの祖父ですね。

ラストシーンの切なさは見る者の心を打つ。

スヴェンガリの複雑な心情を見事演じ切る名優バリモアの演技も合わせ、決して見て損はしない作品である。

ちなみに共演のブラムウェル・フレッチャーは、後にジョン・バリモアの娘、ダイアナ・バリモアと結婚しています。
ノッチ

ノッチ