てっぽ

キューポラのある街のてっぽのレビュー・感想・評価

キューポラのある街(1962年製作の映画)
4.0
昭和37年の映画
埼玉県川口市の中小製鉄工場地帯の長屋の物語
キューポラとは溶解炉の事で、タイトルからも製鉄工場の街というのがよくわからる。
高崎線になるのかな、鉄道沿線でよく電車が通る場面が出てくる。
浦和や大宮とかも昭和30年代の雰囲気がのどかでとても良い。
頑固な鋳物職人を親にもつ中学生ジュンを吉永小百合が演じている。
あまりに昔気質なオヤジで会社をクビになっても酒とギャンブルに狂って、赤ん坊も生まれるし、もう抜け出し様のない貧乏のスパイラル…。
でも、気丈なジュンは健気に明るく前向きに生きていく。
時に親に文句いったり弟達を叱りつけたり、しまいにはチンピラの事務所にも乗り込んで行く(笑)
当時の貧困や在日朝鮮や北鮮問題などもあり全体に暗い話だがすごい前向きなジュンの笑顔と時折映る電車が、日本の繁栄して行く様を描写していると思う。
ひとりで5歩すすむするより10人が一歩すすむ方が良い…とジュンの言葉が素晴らしい。
ふと、ふかした芋を兄弟で半分分けして食べてたガキの頃を思い出した。
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