いわやん

キューポラのある街のいわやんのレビュー・感想・評価

キューポラのある街(1962年製作の映画)
4.6
前から気になってた作品。

この作品で、吉永小百合の人気が爆発したので、アイドル的なものかと思えば、かなり硬派な社会派作品。

埼玉県川口の工場地帯のある家族を中心にドラマは作られてます。

長屋住まいで、貧乏の子沢山。
そこの長女「ジュン」
頭も良くて、思いやりもあり、活発な少女の思春期で、高校に進学が夢。

下町ゆえに、富裕層から最下層の友達が混在していて、二階の自分の部屋でお茶とケーキを食べながら 窓から工場を見下ろす暮らしと、パチンコ屋のバイトしながら、家の外の共同炊事場で洗い物をする暮らし。

父親が工場の景気が悪くてリストラされて、ジュンは高校進学に絶望し、それでもバイトしたりして希望をつなぐが、父親が新しい仕事に馴染めず辞めた事で修学旅行も行く気になれず。

そんな時に、親友が朝鮮の帰還運動で祖国へ帰ってしまう。

親友と駅で別れの挨拶をして・・。

この作品、素晴らしいです。

主役が、もし吉永小百合でなければ作品がかなり暗いものになってたと思います。

それほど、吉永小百合の美しさは別格で、サユリストと言われるファンか日本中に沢山いたのは納得しました。

今なら、映画にしにくい題材があって、労働組合を「アカ」と言ったり、
帰還運動も、大変な事になって。

当時のキネ旬年間ベストテンの第2位は、伊達じゃないですよ。
いわやん

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