Melko

チャンス!のMelkoのレビュー・感想・評価

チャンス!(1996年製作の映画)
3.6
「喜べ!君に復職要請だ。」
「あんたが無能だってバレたの?」

頭が良く、才能もあるのに「女性だから」と男に手柄や昇進を横取りされる不遇のキャリアウーマン ローレルがパートナーと女2人、ぶっ飛び発想でのし上がる、ど根性リベンジストーリー。

今何かと話題のトランプも、若かりし姿でチラッと登場。ビックリした笑

いや〜あの元同僚フランクには心底ムカついた。自分より遥かに機転も効き仕事の才覚もあるローレルを、「女」という理由だけでバカにしている。下に見ている。こんなに最後の最後までムカつくフランクを演じた俳優さん、すごい。めっちゃ鼻につくわ〜
でも彼だけではなく、彼とローレルが身を置く金融界なら特にかもしれないが、ビジネスの社会は「男社会」。今ではあまりないかもしれない、裸のチャンネーが踊る店での接待商談、女人禁制な紳士の会、女性としては見てて腹立たしくなり時代遅れと感じるような「男性優位」な場面が多々あった。
そして、そんな社会で女がのし上がるために必要なのは「色気」。これがイコール女性としての魅力なのだ、と。それを体現する信託顧問のカミール。女としての使える武器を使って相手に取り入るが、それが色仕掛け。007じゃないんだから…
ホントにそうか?女性がビジネスの社会で生き残り上手くやっていくために必要なのは、それなのか?否!!
ローレルはカミールに言う。「女も、ここ(頭)を使うべき。あなたにはその才能があるんだから。」と。

ウーピーは本当にこうゆう「頭良いし機転利くけど、とことん報われない」アンラッキーな女性がうまい。認めて欲しい。私は仕事ができる。こんなに上手くできる。
でも、どんなに頑張っても、「男じゃないから」認めてもらえない。手柄にならない。だったら……そこから始まるぶっ飛び劇。展開に無理があったり、中だるみ感は否めないけど、90年代爽やかな逆転劇、最後は爽快。終盤の紳士の会でのローレルの演説は、それまで、激昂するとキーっとなり、「生理か?」とバカにされてきた彼女が、とにかく淡々と思いを述べていくところが良かった。
また、パートナーとなるダイアンウィースト演じる秘書サリーの、人当たりの良さそう〜なニコニコ笑顔の裏に人の本質を見抜く力が垣間見えて、ハッとする。この人もホントこうゆう役がうまい。物語のラストで、ローレルを相手にしなかった取引相手たちが散々言ってきた捨て台詞を、サリーがフランクへ炸裂させるところが、ホント爽快!!
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