ツクツクボーシ

ピーター・パンのツクツクボーシのレビュー・感想・評価

ピーター・パン(1924年製作の映画)
3.8
なんとも微笑ましく愛らしい作品。結構ナチュラルに残酷なんだよな、ピーターパン。子どもたちが部屋の中で飛ぶシーンの楽しさは「新学期操行ゼロ」をつい想起する。本作の方が先だが。人間が扮している犬のナナが最優秀助演賞でしょう。本編で一番お母さんらしいともいう。あと最後に役立った時計喰ったワニ。

ティンカーベルがピーターの代わりに毒を飲む件で、観客の拍手を要求するあたりのテキトーな蘇り方に笑う。サラッと第四の壁越えてきたよ。黒澤明の「素晴らしき日曜日」方式だよ。本作の方が先だが。これも凄く舞台的な趣向でやんややんやの喝采までが見えるようだ。会場は勿論拍手が起こりましたが…。

と、基本的には見所たくさんでピーターパンは眉目秀麗だし現在の目でみると素朴な特撮も良い味だしてて素晴らしい。ただテンポがイマイチだし、登場人物の行動も色々無理を感じたのも事実。そこは当時の最先端故の限界か。
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