りんとん

ホテル・ルワンダのりんとんのレビュー・感想・評価

ホテル・ルワンダ(2004年製作の映画)
4.0
言葉が出ない。
世界史の教科書で1ページにも満たないくらいしか表されていない、歴史。
これを学生の時に見るべきだった。

ルワンダの高級ホテル支配人のポール・ルサセバキナの体験を元に作られた映画。
これは観せるために撮られている映像なのだろうか?というほど残虐で、リアルな映像。当たり前だが現実はもっと酷い。
フツ族のポールは、ツチ族を根絶やしにしようとするフツ過激派から家族、難民を守るためホテルに匿う。
初めは家族を守るために、軍に金を渡すなどしていたポールだが、次第にホテルの支配人として逃げてきた人たちを守るために奔走することになる。
「あっ、ジャンレノだ〜」とどころじゃないよ。

流れている血は同じはずなのに、環境や歴史が違うもの同士が争い合う。外国がアフリカを植民地にしていた時からきっかけがあったというのが、更に胸糞悪くさせる。

この大量虐殺で、100万人以上の犠牲が出たという。およそ、100日間の間に。
ポールが食料を調達しにいくときに、道に大量の遺体が転がっているのを見て動揺するシーンがある。
フツ過激派が持っていたのは、とても大きなナタ。非常に残虐な殺し方ばかりだったという。「ナタで殺されるよりは、飛び降りたほうがマシだ」と妻に懇願するのだが、そんな願いされる状況って…

ネットで少し検索するだけでも、どれだけ残虐な方法で殺しが行われていたか大量に出てくる。
信じられない、真実。

そしてエンドロールで流れる曲の歌詞がまた…
なぜアフリカ合衆国になれないのだろう?なぜアフリカ連合になれないのだろう?
子供たちが泣いている…

ほんの20数年前に起こった出来事。
今の世界のどこかで、無残に殺されたり、争いから逃げて行き場をなくしている人間が沢山いる。
りんとん

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