ハレルヤ

ホテル・ルワンダのハレルヤのレビュー・感想・評価

ホテル・ルワンダ(2004年製作の映画)
4.3
先日「ルワンダの涙」を鑑賞したのを機に、約10年ぶりに再鑑賞しました。初鑑賞時も相当な衝撃を受けた作品でしたが、改めて見てもやはり衝撃と感動が押し寄せてきます。

1994年4月に起こったルワンダの大虐殺で、自らが支配人を務めるホテルに避難民を匿い、1200人の命を救ったポール・ルセサバギナの物語。

今回はDVDに付いている音声解説も含めて鑑賞しましたが、そこでポール本人の貴重な解説もあり、この映画での出来事がほぼ全て本当に起こった事だと再度認識させられます。

冒頭から当時のルワンダの情勢が分かりやすく提示されているので、特に予備知識が無くとも入り込みやすくしているのは大きなポイント。
不吉な前兆から始まり、やがてそれが確信となる混乱へと繋げていくのも、映画の流れとしては非常に巧い。

いつ殺されてもおかしくない命の危機の連続。最後の最後まで全く気が抜けないので、観客側も常にポールたちと共に、この出来事の恐ろしさを強く感じ取れます。

メインキャストでもドン・チードルのオスカーノミネートも納得の熱演に、ニック・ノルティの抜群の存在感。出番は少なかったもののホアキン・フェニックスの報道機関としての立ち位置も大切な役柄でした。

「ルワンダの涙」でも言える事ですが、こんな地獄絵図が25年前に本当にあったとは信じられなく、改めてこの野蛮な行為に対して憤りと悲しみが沸き上がってきます。

映画としても非常に完成度が高い作品でしたが、人類が決して見過ごしてはいけない最悪の行為を伝える意味合いでも、本作の存在意義はとても大きいものだと思います。
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