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ホテル・ルワンダのshunGoのレビュー・感想・評価

ホテル・ルワンダ(2004年製作の映画)
3.7
"Cut the tall trees"

1994年にルワンダで起きた大量虐殺ジェノサイドの際に1000人以上の避難民を救ったホテルの支配人ポールを題材にした実話に基づいた物語。

主演は「アベンジャーズシリーズ」でお馴染みのドン・チードルが務め、「JOKER」のホアキン・フェニックスらも出演。

1994年、ツチ族が統治していたルワンダ国内は民族間の和平協定を結ぶはずだった。しかしフツ族の過激派によって首相が暗殺され和平協定は無かったことに。国内の秩序は乱れ、フツ族によるツチ族の大量虐殺が始まろうとしていた。高級ホテルの支配人であるポールは悪化する事態の中でも最後まで自分の役割を全うしようとしていた。。。

こういう戦争・紛争・歴史を題材にした作品を観た後の気持ちってなかなか表現が難しいけれど、
世界ではこれが現実に合った出来事である事の驚きと、ぜひ語り継がれてほしいと思う一作。

軍の撤退が命じられ、外国人たちだけがバンに乗り込む一連のシーンは非常に心苦しい。特に、アメリカ人記者がバンに乗り込む際にホテル職員が傘を差してあげたシーンは個人的に凄く違和感を覚える印象的なシーン。個人は無関係とはいえ、自分たちを見捨てた国の人間の世話を最後までしていると思うとやるせない。

夜明けに濃霧の中車を走らせると、そこに大量の死体がゴロゴロ転がっているシーンも衝撃的。
それを見るまで、騒ぎがあってもスーツにネクタイをしてホテル支配人としての品格を保ってきたポールが部屋で泣き崩れ情緒不安定になり、そこから服装や整容が乱れていく様もリアル。

終盤でなんとか戦線を脱した後、ずっと行方不明だった甥と姪を見つけるシーンは感動の場面。
そして最後まで言葉を発する事が出来なかった長男の姿を見て、実際にこの虐殺で失声症になった人は多いだろうなと思わされる。

世界の歴史を知るためには必要不可欠な作品。
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