レナ

パリ、夜は眠らない。のレナのレビュー・感想・評価

パリ、夜は眠らない。(1990年製作の映画)
3.8
ギラギラの、なんて熱気。それだけで観る価値があった。

裕福な・ストレートの・白人 の文化から疎外された人々が、彼らを模倣し価値を逆転させ、何者にもなれることを示す場所がBALL。そこは外側から見たら一瞬の夢、或いはイミテーションであっても、彼らにとってはリアルな世界よりリアルにいられる場所だったのだろう。
皆無邪気な様子で「有名になりたい」と言うが、それは「自分らしくありたい、それを世間に受け入れられたい」という悲痛な絶望と紙一重。
Got to be real の歌をバックに、「とにかく楽しもう」というパワーを存分に写しつつ、その裏にある、「何故なら決して名声など手に入らないのだから」という、ヒヤリとさせられる部分を投げかけて終わる。重層的なドキュメンタリー。
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