このレビューはネタバレを含みます
市川準の病院の白いベットと死
市川準脚本監督。
山崎章朗原作。
原作のモチーフを基にあくまでも静かな切り口で病院内の末期患者を描いた市川監督の初期野心作。
「トニー滝谷」でも若干みせた限定されたスペースにドラマを挟み込む。
トニーでわ外にたてられたセットと横移動のカメラ。
本作のたえず引きの絵と
真っ白いベット。
岸部一徳医師がストリーテラーのようにドラマを案内。
すべてあとは無名の俳優さんが演じる。
「死」と向き合う「生」の日常
笑いやぎょうぎょうしさは一切ありません。
静かな物語です。
市川監督の手堅い手腕が見えます。
何もないベットにどこか冷たさが見える市川マジック、ぜひ!
2009年3月6日 レビュー
追記
市川準をかたっぱしから借りていた時期に見た確か松竹作品。
常にロングショット気味の病室に
病にむきあう人たちを切り取る。
泣かせる
煽る弱さやアップや扇情的音楽など皆無
ひたすら病室の狭さにとじこめているかのような定形な映像フォルムに
生と死をとじこめる。
比較して悪いが、黒澤明のヒューマンホスピス「赤ひげ」なんかと比べたら恐ろしく対局な映画だ。
私が記憶する市川準の本作のベットは、どこか少しなまあたたかくて、
ポツーンとしたひとつのベットを思いだす。岸部の優し冷静な口調とともに。