病が体を蝕む。長い文章も読む気力をなくしている。
それは生きていると言えるのか。
人生に死が立ち塞がっていて、どうしようもない。
しかし我々は死を含めた生活を選ぶことができる。
大事な人に近づくことを(あるいは、遠ざけることも)。
では近づく時、どんな風にしようか。
老人はかっこいい背広で語りかける。
若者は子供の寝顔を覗く。
愛としか言えない生活があった。それだけだったけど、それだけのために生きている気がする。
そのために死んでいく気がする。
いつか割れるシャボン玉のキラキラした表面を、ずっと大事に取っておきたくて写真を構えた子供の頃を思い出した。
そういう映画でした。