ひろパパ

襤褸の旗のひろパパのレビュー・感想・評価

襤褸の旗(1974年製作の映画)
3.8
ラピュタ阿佐ヶ谷の三國連太郎特集にて。足尾銅山鉱毒事件に生涯を捧げた田中正造の物語。1974年と言えばそこまで古い映画ではないが、白黒の映像が渡良瀬川流域の苦しい生活をリアルに映し出していた。また、このような「信念の人」を演じたら並ぶものはないと思えるほど三國連太郎は真に迫った演技だった(特に谷中の大地の土を食うシーン!これは彼のアドリブだったそうだ)。田中正造については城山三郎の小説『辛酸』を昔読んだくらいだが、改めて田中正造と足尾銅山鉱毒事件について調べてみたくなった。

若き日の西田敏行も村の青年役で重要な役を演じており、この二人が後に「釣りバカ」で名コンビを組むことになるとはご本人たちも夢にも思っていなかっただろう。題字が、田中正造から依頼されて『谷中村滅亡史』を書いた荒畑寒村自身というのもスゴイ。
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