ねっしー

ポカホンタスのねっしーのレビュー・感想・評価

ポカホンタス(1995年製作の映画)
4.0
原住民のポカホンタスと、新天地アメリカ大陸に金を取りに来る英国人の一人との、立場を超えた恋の物語。

レヴィ=ストロースの『悲しき熱帯』に表れるようなメッセージ性です。
日本人としては、なんとなくアイヌ民族を思い浮かべてしまいました。


『Color Of The WIndow』の旋律の素晴らしさはもちろん知っていました。
この作品を観て知ったのは、歌詞の美しさでした。
決してすべてを語らない。理論ではなくまさに詩として、その土地に生きる人の想い、自然と生きていくことの豊かさを私は知らないのだと感じさせられました。

物語のテーマと世界観、キャラクターの感情を、一つの音楽の歌詞、曲、アニメーション、ボーカルで表現してしまう。
それぞれの力が相互に絡み合って融合し、研ぎ澄まされたような音楽。
華やかなだけがミュージカルじゃないということを改めて感じさせてもらいました。


全般でも多くを語りすぎない良さを感じました。
アニメではポカホンタスや原住民、その土地にいる動物たちが、どことなくカクカクと描かれています。
文化の違いをそういう視覚的な技法で直感的に伝えるのは凄いですね。
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