現実世界に行き場を失い、ここにはない何かを求めて北海道旅行する若者と、網走刑務所帰りの炭鉱夫が出会い、共に北海道を横断するロードムービー。デジタルリマスター版のクリアな質感がちょっと気持ち悪い。キーアイテムの繰り返し、色の象徴化、歌と世相のリンク等々、邦画ならではの情報量。健さんや武田鉄矢が情けないのが違和感あるのだが、人の心の弱さや矛盾が巧みに展開され、見ている側もいつの間にか彼らと一緒に心の旅をすることになる。旅の終点の夕張での感動のラストの後、ここって炭鉱が閉山になって財政再建団体になるんだよな…と微妙な気持ちにならないでもない。
2019.1.2 NHK BSプレミアム(録画)
