まぐ

モテキのまぐのネタバレレビュー・内容・結末

モテキ(2011年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

結局物語はどこに向かいたかったんだろう…

長澤まさみ演じるみゆきがメインヒロインなんだろうけれど、主人公の幸世が終始地に足ついていないせいかその筋が途中まで全然見えてこなくて、だれた。早口のナレーションが全体にせわしなさを与えているが、それでもだれた。

あのオープニング見たら誰だって「冴えない主人公が急に四人の美女からモテまくり、最終的には誰を取るのか…!?」的な話を期待してしまうだろう。なまじ途中までその期待通りに話が進むから厄介で、途中からみゆき一筋にシフトチェンジするあたりに一旦、(あ、なんだ、ここから普通の恋愛ものになっていくのか)と気持ちが冷めてしまう瞬間があった。というか真木よう子演じる女上司からは全くモテないのかよ!と、なんだかオープニング詐欺、パッケージ詐欺に騙された気持ちにすらなった。
主人公が四通りの恋愛をして成長する話ならわかるが、仲里依紗演じる愛のエピソードはどんな役割があったのか謎だし、モテキと言う割に蓋を開けて見ると普通の恋愛モノとほぼ同じようなことやってるのでは?るみ子との恋愛は、「本当に好きな人に対しては人は面倒くさくなったり重くなったりしてしまう」というのが辛うじて最後幸世がみゆきに迫るシーンに繋がるのだとフォローできるものの、それが主題というわけではなさそうだ。
何より主人公の成長が分かりづらすぎる。というか成長してるのだろうか?途中一瞬、みゆきにふられた主人公がボロクソに書いた記事を書き直すという成長らしきことが成長らしく描写されていたが、結局最後はまた仕事を放棄してみゆきを追いかける。そしてボロクソの記事よりも酷い仕打ちをみゆきの彼氏に見せつけるという…

逆に良いと思ったのは、エンディングクレジットとるみ子の重い女の演技。特に振られるところはゾッとするくらいだった。るみ子関係のエピソードでは、幸世とるみ子の、目に見えない距離感みたいなものが凄くはっきりと感じられたからよかった。ただ、何故解決したかイマイチだったが。
あと、宅飲みの後のワンチャンに持っていくまでの流れが妙にリアルで艶かしい。前半は物凄く引き込まれた。
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