Maki

サンドイッチの年のMakiのレビュー・感想・評価

サンドイッチの年(1988年製作の映画)
4.8
これは良作でした....!!!

舞台は1947年。
両親を収容所で亡くしたユダヤ人の主人公と、裕福な家庭に生まれたフランス人の少年の友情を描いた作品です。
境遇の違う2人の少年が偶然出会い、友情を深めていく姿に胸が温まりました。金持ちだと自慢するわけでもなく、貧乏だからといって卑屈になるわけでもなく...宗教も人種も超えて、1人の人間として相手を尊重する少年たち。戦時中の大人たちが出来なかったことをサラリとやってのける姿に思わずニッコリしてしまいました。

宗教とは何か?
ユダヤ人とは何か?
戦後のフランスに生きるユダヤ人たちの複雑な想いが丁寧に描かれています。

また、孤児となった主人公の面倒をみることになったユダヤ人・マックスおじさんとの心の交流も描かれています。マックスおじさんの腕には、収容所にいたことを物語る数字の刺青が残されています。頑固で不器用だけど根は優しいマックスおじさんの台詞 一言一言が心に残りました。

深く傷ついた時、悩んでる時、困難の時...この映画を思い出したいです。


【ネタバレ注意】
(『サンドイッチの年』のタイトルの意味が分かってしまうので注意です)



心に残ったマックスおじさんの言葉
「今年は色々辛かっただろうが、人生に5度や6度はこんな事がある。残りは何てことはない日々の連続さ。今年のような年は、ハムの薄切れのようなものだ。二枚の厚いパンの間に挟まって。つまりーーサンドイッチの年だ。そういう時はよく噛み締めなきゃならん。カラシが一杯で涙が出ても、全部食べなきゃならんのだ。」
Maki

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