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五条霊戦記//GOJOEのyaaaのレビュー・感想・評価

五条霊戦記//GOJOE(2000年製作の映画)
4.0
「パンク侍、斬られて候」に期待して再見。
石井聰亙監督はざっくり言うと観客には忖度しない作りなんで、親切丁寧な娯楽作品が好きな人には面白くないかもしれない。
が、私は「ア゛ァァあぁぁ――――!」って叫んで走ってるだけでのものでも十分好きです。

仙頭さんのサンセントシネマワークスでの金のかかった時代劇。
源氏復興を狙い夜な夜な平氏の武士を抹殺する牛若丸。
仏のお告げにより、それに立ち向かう弁慶。
弁慶と牛若丸の新解釈、密教や平安時代のアウトロー集団が出てきたり、仏は人々を平和に導けるのか?など知的で面白そうな枝葉は多い。
しかし、物語が進むにつれてどんどん枝葉はそぎ落とされてシンプルに「VSもの」の幹だけが残っていく。
最終的には見事に「ア゛ァァあぁぁ――――!」って叫んで走ってるだけの紛れもない石井映画が出現する。それでええやんという感じ。
時代劇はチャンバラの様式美をみせてこそというのなら、本作の殺陣は見にくいのが致命的。評価が別れるのもわかる。
けれどぶ男と男のぶつかり合いにはそんな小細工なんてどうでもいいなら納得。

浅野忠信さんの何を考えているのかさっぱりわからない不気味さは最高だし、永瀬正敏さんの感情の起伏がわかりやすい濱マイク芝居は炸裂だし、最初違和感全開の隆大介さんは次第に弁慶に思えてくる不思議。
ラスタチで宇宙が砕けそうになるが不発なのは残念。

元ネタに火の鳥乱世編や我王はあるとは思う。
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