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モード家の一夜のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

モード家の一夜(1968年製作の映画)
3.9
エリック・ロメール監督・脚本による恋愛喜劇「六つの教訓話」シリーズの第三作目。
二人の女性に魅惑されるカトリック信者の男を描く。
ネストール・アルメンドロス撮影によるモノクロームの映像が美しい。
音楽はモーツァルトの「バイオリンとピアノのためのソナタ」が使用されている。
原題Ma nuit chez Maud

フランスの地方都市クレルモンフェランにやってきた技師で敬虔なカトリック信者である“私”(ジャン・ルイ・トランティニャン)は、教会のミサで見かけた若い女性フランソワーズ(マリー・クリスティーヌ・バロー)にひと目で心を奪われ、彼女こそ自分の妻になる人だと確信する。
ある日“私”は、同級生で大学の哲学講師をしているヴィダル(アントワーヌ・ヴィテーズ)と14年ぶりに再会。
ヴィダルの誘いで、離婚して子どものいる無神論者の女医モード(フランソワーズ・ファビアン)の家を訪れる。
3人でパスカルの哲学や宗教、結婚など様々な会話をし、夜も更け雪が降りだした頃、ヴィダルは計画的に"私"を残して帰宅する。
“私”はモードに誘われるままに彼女の家に泊まることになる。

2人はどんな夜を過ごすのか?

翌朝、"私"は、フランソワーズを街で見かけ、思いきって声をかける。
車で彼女をアパートまで送るが雪道で車が動かなくなり、そのままアパートで一夜を過ごす。

2人はどんな夜を過ごすのか?

そして数年後、妻となったフランソワーズと子供を連れた"私"は避暑地の海岸で、偶然モードと再会する…

「全て分かった…
反対のことを言った…
もう忘れましよう」

パスカルの「パンセ」233節「理性で神の存在を決定できないにせよ、神の存在に賭けても失うものは何もない。それどころか得をする」(「パスカルの賭け」)…この理論が女性選択の基準に適用される。
パスカルに反論する私は結果的に、パスカルのとおり選んだことになる。フランソワーズ・ファビアンもマリー・クリスティーヌ・バローも魅力的(惑ってしまうの気持ちも分かる)。
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