ユースケ

ヘンリーのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

ヘンリー(1986年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

【ガーディアン・オブ・ザ・ギャラクシー】シリーズのヨンドゥ・ウドンタとしてMCU(マーベル ・シネマティック・ユニバース)ファンの心を鷲掴みにしたジェームズ・ガン組のマイケル・ルーカーの初主演作として知られる本作は、360人殺しのヘンリーの異名を取る全米史上最悪の殺人鬼ヘンリー・リー・ルーカスとその相棒のオーティス・トゥールとその妹のベッキーの奇妙な共同生活を描いた一本。

「殺人は息をするのと同じだった。」というヘンリーの言葉を体現するために敢えて殺人を淡々と描いたり、殺人の爽快感を味あわせるために敢えてムカつく電気屋を登場させ、敢えて殺害シーンをコミカルに描いたり(ハンダゴテで滅多刺しにし、テレビを頭にぶち込んで電源を入れてトドメを刺す)、【時計じかけのオレンジ】のレイプシーンを思わせるビデオカメラで撮影された家族の殺害シーンを描いてからその映像を娯楽として楽しむヘンリーとその相棒のオーティスのシーンを描いて「殺人って楽しいだろう?」と観客に問うてみたり、殺人鬼の気分を味あわせる演出といつぶち切れるかわからないマイケル・ルーカーの演技は秀逸。

ヘンリーに同情させないために、ヘンリーが殺人鬼になった経緯を敢えて描かなかったのだと思いますが、ヘンリーに差し伸べられた救いの手を跳ね除け、虐待の限りを尽くしたイカれた母親(ぶち切れると直ぐにマ⚪︎コを曝け出します)、「釈放されたら間違いなく人を殺します」というヘンリーの言葉をジョークとして受け止め、ヘンリーを世に放った政府、そして、死姦や食人にまで手を出す相棒のオーティスのイカれっぷりを知っていると本作を物足りなく感じてしまうかもしれません。

ちなみに、ヘンリー・ルーカス連続殺人事件特別捜査班の正式メンバーとして、鉄格子の中から助言を行っていたヘンリー・リー・ルーカスは人食いハンニバルことハンニバル・レクターのモデルのひとり。
また、シリアルキラー映画繋がりになりますが、【アベンジャーズ 】シリーズのホークアイを演じたそして殺すおじさんことジェミー・レナーの初主演作が【ジェフリー・ダーマー】なのも見逃せません。