リョ先輩

秋日和のリョ先輩のレビュー・感想・評価

秋日和(1960年製作の映画)
5.0
小津にカラー、鬼に金棒。もう何も並ぶものはない...

『晩春』を焼き回したかのような(それでいて全然違う)、テーマはいつも通り、娘の結婚による家族の離散なのだが..今回娘にとっての唯一の家族は原節子扮する母親のみ。ここが晩春の笠智衆扮する父親と紀子との関係に重なる(この場合は異性であったが)。原節子がかつて笠智衆の演じた役を見事に演じている!セリフも殆ど同じもので、ありありと『晩春』が思い出される。
カラー映画になったことで小津の密かな色彩への心配りも存分に味わうことができる。