神保町シアター/原節子大会。
デジタル修復版を初鑑賞。
もともとアグファ・カラーで強い色調だったのが、さらにハッキリしていた。
これを「鮮明」と感じるか、「強烈」と感じるかはひと次第だが、わたしは、どうしても人工的な色彩感を感じてしまい、少ししつこいように思った。
小津本人も、これほどの色調を求めていただろうか。
内容は『晩春』の母娘版リメイクだが、今回は、事態を推進するのが当の母娘ではなく、周辺の中年三人組や岡田茉莉子なので、ドラマツルギーとしての焦点が少々ぼやけてしまい、クライマックスの感情的な盛り上がりやラストの感興がおとなしくなっている。
原節子は実際にビールが好きだったようで、たしかにうまそうだ。
チラリと登場する岩下志麻(デビュー)のスタイルのよさ、上品な美しさには、毎度感動する。