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仮面ライダー THE FIRSTのslowのレビュー・感想・評価

仮面ライダー THE FIRST(2005年製作の映画)
2.7
"大人向け"を履き違えた
残念すぎる仮面ライダー…
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「仮面ライダー」は
"子供向け特撮ヒーロー"の
イメージですが、
私は原作者・石ノ森章太郎が
描いたディープな漫画版こそ
真の仮面ライダー像だと
思ってます。

しかし本作は
"大人向け路線"にしたのは
いいものの、
"大人向け"の解釈の仕方が
間違っていた。。。

なんで昭和のメロドラマ風に
してしまったんだ…!Σ( ̄□ ̄;)

年配の世代の作風に
合わせるのが大人向けだと
勘違いしたのだろうか?
初夏なのに鳥肌が立つくらい
全編にわたって台詞がさむく、
浜辺で水をかけ合うシーンとか…
"時代のせい"とおっしゃる
レビュアーさんもいるけど
当時子供の私でも
"古すぎる!"と思ったよ…

昔のTV版への愛が強すぎて
"古臭さの再現"が逆にすべっており,
原作漫画では面白かった
主人公を"人殺し"と勘違いする
バカヒロインとのすれ違いを
本作では"恋愛要素"を盛り足して
1号2号の姿が似てるのが原因で
誤解を加速させるのは
面白いけどくさいメロドラマは
見たくなかった…(/ー ̄;)

悪役好きとして残念なのが
怪人がおっさんばかりで
クモ男がタクシー運転手
である必要性が感じられず
人襲うのも変身するのも
狭い車内でかなり
めんどくさそうだった……(笑)

素晴らしかったのは、
ライダースーツや
怪人のデザインがカッコよくて、
頭と口のパーツ二つを
取り付ける変身ギミックや
光る目のライトといい、
細かい点にこだわってるのは
日本特撮の良いところ。

また新人俳優の登竜門である
仮面ライダーに
有名タレントを出すなど
目新しさがないが
ウエンツ瑛士と
小林涼子が演じる
怪人視点のドラマは
心をえぐる悲劇性があり、
やっぱり仮面ライダーは
「大人のドラマ」よりも、
「若者のドラマ」のほうが
心に響くなと実感した。

そしてこの作品が
"大人向けの仮面ライダー映画"と
呼ばれ続けるのは、
原作漫画よりもダークで
濃密なテーマとドラマをもった
「仮面ライダーアマゾンズ」が
生み出されるまでの話……。
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