しばさき

たまの映画のしばさきのネタバレレビュー・内容・結末

たまの映画(2010年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

なんでこの人たちは解散してしまったんだろう、という問いが生まれている程度にたま現象について知った後にグッとくる映画だと思う。

再結成は無理だとメンバーたちがみんな口を揃えていう理由をすごく理解できた気がする。
最初は柳原さんが頑固だったり過去は振り返らない美学があるのかと思ってたけど、知久さんの許せない感じがヒシヒシと伝わってくる最後だったのかなって。知久さんは、柳原さんとずっと一緒にやっていきたかったのかなぁ。

柳原さんが当時売れた歌の権利を持って脱退したのも、それは権利としては当然のことなんだけど、でもたまはそれでピンチになってしまったわけで。柳原さんはどう受け止めていたんだろう。きっと事務所の大人たちが絡んでそうなので、事態はもっと複雑だったんだろう。
柳原さんはたまの時代の歌を歌えるようになるくらい心の整理がつくまですごく時間がかかったみたいだし。

昔からずっと一緒にいるくらい仲良かった友達が、もう違う人生を歩んで交わらなくなったから集まることはないけど、でもふとした時に懐かしく思い出すみたいな切なさがあった。

石川さんはたまのときのカラーを極めた人みたいになっていて、でも柳原さんはもうヘンテコを楽しむんじゃなくて正統派をやりたくなってしまって。真逆に行ったわけだから、お互いの音楽には無関心に近いのかな。
でも柳原さんの音楽を聴くと、歌い方や声の出し方は違うけど、やっぱり昔たまにいた人なんだなというルーツを感じる。

一夜にして人生が変わってしまうほどの人気が出るって、メディアが多様化した今ではもうほとんどない機会だと思うから、ある意味レアな経験をした人たち。それでもみんな自分を持っているから、やっぱりたまが大好き。

知久さんの歌を聴くといつも泣きそうになるんだよなぁ。
劇中に3人の歌がたくさん出てくるので、柳原さんの歌も聴きたくなってしまう映画。
しばさき

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