二瓶ちゃん

たまの映画の二瓶ちゃんのレビュー・感想・評価

たまの映画(2010年製作の映画)
5.0
ミーハー高校生の時に観たけど、またなんか観たくなってレンタル取り寄せして鑑賞。

いまをときめく今泉力哉監督。ドキュメンタリーも撮ってたんですね。え、劇場初作品?!

そもそも歌手自体に関心があるのと、映像を見る中でときめきを取り戻したし、この生き方に尊敬を込めて、マックスのこの評価。

一時期社会現象にもなったバンドの過去と現在を届けられたけど、そこまで凋落を描いた話でもないんだなぁこれが。なんかなるべくやりたいことやれて、今の方が楽しそうに見えたり。

実は今まで触れる機会がありませんでしたが、高校生の頃からちょこちょこっと聴いておりまして、「たま」は割と好きな、精神安定するバンドの一つでありました。私にとって。

全編現在をベースに構成されている。過去映像はなく、インタビューと演奏がメイン。ドキュメンタリーであることを忘れさせる。演奏に載せたインタビューからは哀愁を感じるシーンも多々。まだテレビドラマとか映画とかで名前を見かける前の上田誠さんや、ケラさんが出てる。

高校の時見て、そして今見て思い出したのは、知久さんの父親のエピソードと、猫の発情スポットの話。あと、11人ぐらいで寝てた荘がなくなった話。

今改めて見て感じたことを雑多にメモ。

滝本晃司さんまじかっこいい。変わらない美しさ。ファンタジーなリリックに耳に優しい演奏と優しい声。ベースラインは独特。たまに入った当時は全然ベース弾けなかった話本当笑った。石川浩司は自分のことがままならないから子供を作らないのか。

柳原さんは出てない。知久さんと対立の中出て行ったみたいな印象があったけど、それは知久さんが柳原さんの歌声を宝物のように愛していたからだったとは。柳原さん自身は「いじわる」みたいなある特有のイメージからの脱却を図っていたとは。

石川さんはよく公式サイトとか覗いてるけど、安定の存在感。ホルモン鉄道の自由さだよね。あとパスカルズにいる時の演奏の完成度がすごかった。冒頭駅で知久さんを待つシーンからもすごくエンターテイナーさが伝わってくるよね。

そして最後に知久さん。趣味も非常に細かい。死生観も今作において聴ける。何より衝撃的なのは、本人もモラルを求めるバイアスを感じているという、死んだ父親を笑う話。でも、まぁあっけない感じはわからなくもないんだけどなぁ。笑

確かに石川さんは本編中において、お客さんから求められまいと面白いエンターテイナーで在ることを言っているけど、音楽を奏でる人たちの中で変わり者のようなレッテルを貼られたり、歌手というよりは見せ物のような扱いをされたり、その中で御輿のように持ち上げられたけど、そのおまつりも終わって、終わってもずっと「したいこと」尽くし。かっこいい。

荻窪だったかにある、ニヒル牛、今度またいつか行こうと思ったのと、僕が死ぬまで一度は元たまのどなたかのライブに行きたいと思った。

まずはサブスクで現在のパスカルズ、知久さん、柳原さんの曲を聴くとします。
ちなみにエンドロールの曲はSpotifyにありました。