ニューヨークに進出したサックス奏者のチャーリー・パーカーは、1940年代後半にはディジー・ガレスピーらとともに、“ビ・バップ“と呼ばれる新しいジャズの中心的存在として活躍し、ダンサーのチャンと結婚もする。しかし、華やかな活躍とは裏腹に、彼は酒と麻薬に溺れていく。
実在したジャズサックス奏者 チャーリーパーカーの生涯を描いた作品。無類のジャズ好きであり、自身もジャズピアニストをしていた時期があるクリント・イーストウッドが監督を務めた。
以前鑑賞した、ジャズトランペッターのチェット・ベイカーの映画「ブルーに生まれついて」と同じようなプロットで、音楽的な成功を収めながらも、麻薬やアルコールの依存症に苦しむ主人公とそれを支える妻を描いています。
冒頭から自殺未遂を起こす主人公。そこから回想される形で物語は進んでいきます。序盤はサックス奏者として活躍し、妻を射止め、イイ感じです。しかし冒頭の展開から、その先に光のある未来が見えないことは確定しています。これだけでも堪えるんですが、そこからの麻薬や酒に溺れる様がホントに痛々しかったです。さらにフォレスト・ウィテカーの素晴らしい演技が拍車をかけ、ホントに見るのが辛いくらいでした。
妻も献身的に支えてくれて、立ち直れるんじゃないか というタイミングもあったんですが、そう簡単には事は良くならない。依存症の恐ろしさ、苦しさが伝わってきます。
ストーリーは重苦しさ全開なんですが、そんな中でのジャズの演奏がまた映えるんですよねー。ジャズの知識が皆無なので感覚だけになりますが、このムーディな演奏が味があってイイですね。第61回アカデミー賞において、音響賞を受賞しているみたいで、納得です。
ジャズの演奏は見事だし、演出は良かったとは思うのですが、如何せんこのストーリーで2時間半超えはさすがに長さを感じてしまいました。映画としての面白みはちょっと欠けると思いましたが、趣深い作品なのは間違いないないです。