メタ壱

県庁の星のメタ壱のレビュー・感想・評価

県庁の星(2006年製作の映画)
3.8
とある県のエリート職員として働く高慢な男・野村。
彼は県の一大プロジェクトの一環として“市民の働きを知る”というパフォーマンスの為に町のスーパーで半年間働く事に。
しかし内情の酷いスーパーの職員たちとエリート公務員の野村はそりが合わず、野村の教育係となったパートの二宮からは邪険にされてしまう…というお話し。

社会の悪しき面にメスを入れつつも、部活モノのような痛快さも持った上質エンタメ作品!

市井の人の事など考えず自分たちの地位や安定、出世の為に働き、癒着などお構いなしで税金などジャブジャブ無駄使っちゃう県。

悪循環に陥り客の事を考える余裕もなく不誠実な経営を行うスーパーと、その状況を諦め堕落したスーパーの職員たち。

ある意味では県庁とスーパーは対極な存在であり、でもある意味ではよく似た存在。

そんな環境を舞台にした物語の主人公が、「政治は人の上に人を作り、人の下に人を作る」なんて言葉をモットーにしている高慢で堅物な男なもんだから、まともな人間登場しないじゃん!ってなります。

でもだからこそ見えてくるものがあったり、自らを省みる事が出来たり、そこから野村という人間の持つ“本当の彼”が浮き彫りになります。

人は一つ何かが駄目になると気持ちが悪循環に陥り、それは行動にまで影響し人生そのものを悪い方へと向かわせてしまいます。

だけどそれを省み、変えようという強い意志と学ぶ心があれば悪循環を好循環に変える事が出来るのが人間なのだと思います!
メタ壱

メタ壱