Melko

アポロ13のMelkoのレビュー・感想・評価

アポロ13(1995年製作の映画)
3.8
”I don't care about what anything was DESIGNED to do, I care about what it CAN do.”(設計の目的より、何の役に立つかだ。)

「丸い穴を四角い栓で塞ぐ方法を考えるんだ」

「1アンペアでも電力を節減しろ!」

我々のミッションは、”輝かしい失敗”と呼ばれた—-

月に降りたてなかった男たちと、地上スタッフの物語。
実話が元なので結末が分かっていながらも、度重なるアクシデントに迫るタイムリミット、終盤はかなりドキドキした。

13 という不吉な数字を背負ったアポロ
打ち上げ2日前にクルーの一人が交代
代打となったジャック。喜びを爆発させると同時に、足りない準備期間と経験不足、残り2人との築かれていない信頼関係に、不安がいっぱい。
お調子者のフレッドはアクシデント勃発と共に体調を崩し発熱まで。衰弱する身体との闘い。
誰よりも月に行くことにこだわりを持ち、ケンを外す決断を下したジム。月を目の前にして、素通りすることしかできない状況に打ちのめされつつ、絶対絶命な状況に、「地球への帰還」を目標に気を持ち直し、弱るフレッドとジャックを励ます。

宇宙のロマン溢れる話ではなく、汗まみれで地味な人間ドラマ。
個人的には、宇宙に放り出された孤独なパイロット達の姿よりも、彼らを何とか帰還させるべく必死になって動き回り頭を捻る地上スタッフたちの姿が印象に残る。
「ライト・スタッフ」ではパイロットを演じていたエド・ハリスが今度は角刈りのフライトディレクター役!言葉少なに各部門のスタッフ達へ指示を出す
その他、宇宙での進路を物凄い速さで検算するスタッフ、船の中にある資材で空気濾過のためのアダプタ作成を試みるチーム、電力の節減方法を模索するチーム……
そして、その節減方法をテストするために、外されたケンが呼ばれる!複雑な感情で打ち上げを見て、不貞腐れていたケンが地上でサポートに回るのはグッと来た。演じたゲイリー・シニーズが巧み。

月旅行は国内旅行と一緒
命懸けのミッションも、回数を重ねることで麻痺して興味を示さなくなっていたマスコミが、緊急事態はスクープと食いつく。
心臓が破裂しそうになりながら無事を祈る妻が無礼なマスコミに怒り心頭なのもわかる。

宇宙はまだまだ未知
いつもの仕事と軽く見て手を抜くなかれ
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