一夢

悪魔のいけにえの一夢のレビュー・感想・評価

悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)
4.3
「ショーン・オブ・ザ・デッド」という爆笑映画と「パッチアダムス」という感動映画をレンタルするに当たり、このままでは正の力が強くなってしまう…。
何か負の力でバランスをとらねば…。
そう思い、焦った自分が手に取ったのが本作だった。

車でテキサスを旅する若者5人組が田舎で恐怖のどん底に叩き落される話、バックパッカーになりたい奴は旅立つ前に観ろ、以上!

ジェイソンやフレディに惨殺されるような調子こいたチャラい若者たちとは違うのに、何でこいつら殺されなアカンの?という強烈な理不尽さ、異常な人間が一番怖いという恐怖、人骨のオブジェから発せられる歪んだ芸術性を詰め込んだ、ホラー映画の始祖にして完成形となってしまった作品。

ジェイソンの武器はチェーンソーではなく鉈で、チェーンソーの真の使い手は本作のレザーヘッドなのだが、こいつがとにかく怖い。
ゾンビがステータスを生命力に全振りしているとしたら、こいつはパワー・スピード・スタミナがバランス良く高いという、絶対に追いかけられたくないホラーアイコンの一人だ。

このレザーヘッドと最終的に一対一で対峙するヒロインの必死さ、タフさがとにかく半端ではない。
非力な一般女性のため、基本的に叫んで逃げるというシャウト&アウェイ戦術なのだが、ホラー映画のヒロインには持久力が不可欠ということを教えてくれる。
後半30分、ずっと叫んでるんじゃないか??と思わせる展開で、鑑賞後はこちらも物凄い疲労感がやってきた。
そこら辺のアクション映画よりよっぽど身体を張った演技をしている。

体力万全の状態で挑むが吉。
お酒を飲みながら観る場合、おつまみにサラミやソーセージの類は絶対に用意しない方がよし。
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