茜

悪魔のいけにえの茜のレビュー・感想・評価

悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)
4.3
最近じわじわとホラーにハマっているので、やはり有名どころは押さえとかなきゃと。

今観たら決して「怖い」とは言えないけど「凄い」っていうのは分かるし、怖さよりも「不快」感が強いかも。
グロい演出がある訳でもないし、典型的な音でビビらせるパターンでもないのに、やけに気持ち悪くて惹きこまれる。
いざ観るとレザーフェイスってそこまで登場時間が長い訳ではないのに、それでも強烈なインパクトが残るって凄い。
序盤でイカれたヒッチハイカーに出会うところから、これから先に起こる不穏な出来事を予感させる掴みが抜群。

美術も細かいところまで作り込まれてて良く出来てるし、ニワトリが鳥かごに入ってる違和感がやけに気になる。
古い映画だからこその粗い質感が余計に不気味な感じを惹き立てて良かった。
あと俳優陣みんな演技が上手くて、特に終盤叫びまくってたお姉さんは喉潰れなかったのか心配になるレベル。
ラストの笑ってるのか叫んでるのか分かんない狂いっぷりも最高。
見開いた目をアップで映すシーンなんかも斬新だし、リアルな恐怖感あって良かったなぁ。

ホラーによく出て来る浮かれたバカな若者って訳じゃないのに襲われてしまう不条理感と、いまいちハッキリと正体が掴めない一家の不気味さが良い。
正体がよく分からないからこそ、気持ち悪いし怖いんだよね。
でもうっかりチェーンソーで自分を切っちゃうお茶目さもあって、憎めないキャラのレザーフェイスが可愛い…。
茜