コータ

続・夕陽のガンマン/地獄の決斗のコータのレビュー・感想・評価

5.0
【ATB第9位】
〈黄金のエクスタシーを求めて〉
“良い奴”、“悪い奴”、“汚ねえ奴”による三つ巴の騙し合いを描いたユーモアたっぷりのマカロニ大作。
舞台は南北戦争真っ只中のテキサス。隠されし金貨を追い求め、三人の無法者たちが近づいては離れていく。その駆け引きで物語が展開する。

セルジオ・レオーネにとって、それまでのマカロニ・アクションから、以降のデヴィッド・リーンさながらの叙事詩大作へと移行していく過渡期にあたる作品。
歴史大作の中にもユーモアと哀愁を。活劇の中に重厚さと美しさを。ジリジリとした緊張感の先に訪れる映画的快感。

それを引き立てるのがエンニオ・モリコーネによる劇伴だ♪
名曲『黄金のエクスタシー』に代表される本作の収録曲群は、モリコーネの偉大なディスコグラフィの中でも一段と特別な輝きを放っている。

レオーネのフィルモグラフィにおいて、最もユーモラスでコメディ性に富んだ映画だ。イーライ・ウォラック演じるトゥーコが、可愛げある狂言回しとして、レオーネのハードボイルド性に愛らしさを添えている。カッコ悪くて汚ならしいけど、いつも陽気で時に哀愁漂う愛すべきキャラクター。

『荒野の用心棒』に始まる初期のマカロニ・アクションのカッコ良さと、後期の叙事詩的な壮大さがベストバランスに噛み合った、セルジオ・レオーネ最高傑作にしてマカロニ・ウエスタンの最高到達点。
コータ

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