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大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

4.0
徳川家光の時代より、世の中の男性の人数が病により激減。
大奥では男女が逆転するという事態に陥っていた。現在の将軍は五代目徳川綱吉(菅野美穂)、美しく学問にも長けているまさに才色兼備という言葉がピッタリである。彼女には側室(要潤)との間に松姫という世継ぎがいた。正室には子が授からなかったため、大奥内では正室と側室の派閥が起こっていた。ある日正室の計らいで京より貧しい公家出身の右衛門佐(堺雅人)が大奥に入った。彼は学問に秀でて才もあり、あっという間に綱吉に取り入る。そして大奥総取締役にのしあがったのである。ある日松姫は5日ほど熱が出て倒れ、そのまま死んでしまう。ひどく落ち込んだ綱吉だったが次の世継ぎだと周りから言われる。
政治からは遠ざけられ、夜毎に若い男を寝屋に呼んでは子作りに励んでいた。しかし一向に子は授からない。
このプレッシャーと陰謀は綱吉を孤独にさせていった。松姫が死んでから17年後。ある日若い青年を寝屋に呼んだときのこと。綱吉はその男に命を狙われ、間一髪のところを右衛門佐に助けられる。お互い年をとり、頭には白髪も見え始めた。
ショックを受けた綱吉を落ち着かせたところで、「休んで良い」と綱吉から言われるも右衛門佐は離れない。自分が居なくなったら自殺するだろうと思ったからだ。
自分に自信を無くし生きる意味を見出せなくなっていた綱吉に、右衛門佐は「ずっと好きだった」と告白し二人はようやく結ばれた。
綱吉は世継ぎとして甥を養子にすることを発表。その後、打掛をぬぎ右衛門佐のところへ走り出す。
よしながふみの大ヒット漫画「大奥」の実写化。
堺雅人演じる右衛門佐は落ちぶれた公家として姫に身体を売り出世のみを考えて大奥総取締まで登りつめたけど、菅野美穂演じる綱吉に恋を知らぬまま子孫を生むために生きてきた孤独な自分自身を見て恋してしまう殉愛、菅野美穂演じる綱吉の徳川の家を守るために子孫を残すことのために恋を知らぬまま生きてきた孤独、綱吉の世継ぎを生むための側室を出すための右衛門佐と綱吉の父親の権力争い、男女としてありのままで恋することが許されない時代の悲恋を描いた傑作時代劇ラブストーリー映画。
クールで切れ者な右衛門佐を演じた堺雅人のクールで情熱的な魅力、菅野美穂演じる綱吉の妖艶で哀しみを秘めた魅力と演技が、印象的。
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