わかめ昆布

女優須磨子の恋のわかめ昆布のレビュー・感想・評価

女優須磨子の恋(1947年製作の映画)
4.0
「あれは芸じゃない、いわば君の現実の延長にすぎないんだ」

これはとんでもない絹代…!
田中絹代への思いが爆発する作品の一つに入るかも。
先生と須磨子の関係は、まるで溝口と絹代の当て書きのようにも映り、そのような見方もまた楽しかった。

複雑な女の心情・態度の演技がかなり上手く、迫真さがすごい。バケモノ。迫真すぎて全部持ってってしまう力。鳥肌立ちまくり!

演劇の話なので、田中絹代が金髪でカチューシャを歌ったり、ロココドレスを纏ったり…高慢な態度の田中絹代もまた素晴らしい。

愛する人が亡くなって、「自分も死んでしまっているんだから一緒に埋めてくれ」っていうシーンはやばい。こんな言葉が一体何処から出てくるというのか…ロマンチックすぎるよ溝口。
劇と須磨子の心情がシンクロしていく。

昔の舞台に関して、観客参加型みたいな感じだったのも興味深かった。茶々が入ったり焚きつけたり…歌ってる最中にも大拍手が沸き起こったり!当時の芸術の楽しみ方が垣間見れた。

田中絹代にまた惚れ直してしまう一本。
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