ベビーパウダー山崎

砂の上のロビンソンのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

砂の上のロビンソン(1989年製作の映画)
2.5
ポルノが抜けたすずきじゅんいちのATG映画、懸命に物語を撮らなければならないよそ行き感が「映画」を窮屈にしている。桜の下で浮浪者の父と父とは知らずにその浮浪者を痛めつける息子の邂逅がラスト、分からなくはないが、この流れで感動に持っていくのは図々しい。ロマンポルノならもっと突き抜けていたはず。大地康雄の芝居はいつも迫力がある。脇の戸川京子は魅力的、嫌な上司の下條アトム、老いた長門裕之や小沢昭一も抜群。90年代前後、日本映画を役者で楽しむことができた最後の時代。