ショウジ

赤い文化住宅の初子のショウジのレビュー・感想・評価

赤い文化住宅の初子(2007年製作の映画)
3.5
こちらも『月とチェリー』に予告が収録されていて気になって観てみた。

主人公の初子が置かれた状況があまりに過酷な上に優しくない人ばかりが出てくるので、中学生相手に人ってここまで厳しくする…?と疑問に思ったり、なんで生活保護受けないんだろう…と思ったりしたけれど、結末が爽やかだったので良かった。お兄さんが本当は優しいところも救い。

浅田美代子がこんな優しい役やるはずない…と思ったら案の定の展開で、その一連の出来事の後に坂井真紀演ずる担任教師が言う「あんた、いっつも誰かが助けてくれるいうて思うとるじゃろ」はキツかった。ふらふらしている初子に楔を打つ気で言ったっていうのはわかるけれど、例え誰も助けてくれないとしても、そういう希望を持つことすらこの人は許してくれないのか…と思って。

初子が同級生と自分との間に隔たりがあると思った瞬間に、椅子が高く積み重なっているような幻を見るシーンにゾッとした。映像じゃないと表現できないことだし、タナダユキって映画作るセンスが本当にずば抜けてる…

あと、ドラマ『デッドストック~未知への挑戦~』の主題歌が元々この映画の曲だったのは今回知った。
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