法月

赤い文化住宅の初子の法月のレビュー・感想・評価

赤い文化住宅の初子(2007年製作の映画)
4.0
「赤毛のアン」が嫌い。あんな境遇の子が幸せになれるなんて嘘だ。
(けど、いつも「赤毛のアン」を読んでる.....)

父親は借金作って蒸発、優しかった母は事故死、兄貴は高校中退して荒れてる..... 中学三年生の初子は、成績優秀なのにお金がなくて進学できそうにない。

辛い辛い辛い! なんでこんな映画観なきゃいけないんだ!
(つっても自分で借りたんだった(>_<)!)

出てくる大人たちがクソ過ぎて目眩がする。
(特に坂井真紀演じる担任教師のクソっぷりときたら!!)
初子が良い子過ぎて泣けてくる。グレるでもなく、己が運命を受け入れてしまう。
ありきたりな希望など描かれない。
初子の王子さま、同級生のボーイフレンド、三島君(ガチバンの森紋児だ( `ー´)ノ)が唯一の希望ではあるが、けっこう頼りない。安定感がない。
初子の前に光は見えない。けれど淡々と生きる。これもひとつの人生賛歌か.....

タナダユキ監督、よくこんな映画を成立させたな。
そうか「百万円と苦虫女」の監督だったか.....
他の作品も観てみよう。

あぁ、故・大杉連さんも出てたのか。しかもこんな役で(T_T)/~~~
そしてラストで流れる曲はUAか。
あぁ、菩薩さまのようだ。

地味で辛い映画。けど、好きだ。なんでだろう?
法月

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