16ビートたけし

ある機関助士の16ビートたけしのレビュー・感想・評価

ある機関助士(1963年製作の映画)
4.9
『この遅れを取手までには回復したい』

水戸機関区のある機関助士を主役とした物語

線路内作業者に対して警笛を吹かない、蒸気機関車と離合すれば黒煙で前が見えない、田舎駅でも通過を見送る駅長や助役等多数の掛員、突放、等々今よりも過酷な、失われた日本の鉄道風景が収められている。

水戸の機関区がメインだからか訛りが酷くさらに当時の録音技術の低さで日本語なのにほとんど聞き取れない。

タイトル通り乗務員がメインだが様々な職種が出てくる。友部の信号掛の文字通り全身を使った信号扱いは特に見もの。本当に大人数で鉄道を動かしていたんだなあ

意地でも遅れを取り戻す乗務員根性、定時に戻った瞬間タバコを吸い出す機関士、それを映してもよい時代背景、最高にカッコ良い。これぞ職人

これを観たなら『つばめを動かすひとたち』も観て頂きたい。