ペコリンゴ

スワンプ・ウォーターのペコリンゴのレビュー・感想・評価

スワンプ・ウォーター(1940年製作の映画)
4.0
記録。
沼地の出会いと隠された真実。

ルノワール作品初鑑賞。
第二次世界大戦中ドイツがフランスに侵攻したことにより、アメリカに亡命したルノワールが制作したアメリカ時代の初作品らしい。

入り込んだら二度と帰れないと恐れられている沼地。そこに迷い込んだ愛犬を捜索するため果敢にも沼に入り込んだ主人公ベンは、殺人容疑をかけられ村人から忌み嫌われていたトムと出会う。ベンはトムとの交流の中で彼の無実を信じるようになる…

「らしくない」作品という評もあるけど、個人的には初のルノワール作品が本作で良かったと思う。なんとなく昔のフランス映画って取っ付き辛いイメージ(偏見ですが)があったりするんだけど本作にはそれが無く良い意味でアメリカ的。まぁアメリカで作ってるから当然かもだけど、クラシックな作品に抵抗が無ければすんなり楽しめる秀作でしょう。

ルノワール唯一の西部劇とも言われている作品ではあるけど、ガンマンの決闘が描かれるような定番の作品ではない。男女間、親子間、そして心を通わせた友人との間のなんていうか人情味ってものに心をグッと掴まれる人間ドラマになってます。

アン・バクスター、ヴァージニア・ギルモアら女優陣もとてもお綺麗で眼福。やはり美女はモノクロに映えますね。