デロング

別離のデロングのレビュー・感想・評価

別離(2011年製作の映画)
3.9
イラン映画は去年劇場で観た『セールスマン』に続いて2本目。『セールスマン』もそうでしたが、イラン映画というとイスラム教などの宗教的な縛りや社会情勢を根底に置きながら進む物語で文化の違いから日本人には、はぁ?と思う場面も所々あるけど見ごたえたっぷりというイメージです。この映画もなまら良かったですよ~。

情勢が悪いイランを離れ安全な場所で娘のテルメーを教育したいという妻のシミンと父親がアルツハイマーのためイランを離れる訳にはいかないと言う夫のナデルは離婚危機に。そこに父親の介護として雇われた女性ラジエー。しかし、仕事ぶりに納得がいかないナデルは彼女を追い出してしまう事から裁判になってしまう。

今作もイランの中流家庭と貧困家庭の階級差や家庭問題、イスラム教の教えなど様々な要素を絡ませながら、みんな悪い人ではないのに、どんどんと事態は深刻な方向に向かっていく人間模様に引き込まれるし、それぞれの心理がリアルに伝わってきます。てか、子供達が一番可愛そうでテルメーの涙にはオイラも胸が痛くなりました。

あと、イランの裁判って当人同士と裁判官みたいな人だけの話し合いだけで弁護士とか無しなんですね。ちょっとビックリ。(^^)
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