サラリーマン岡崎

別離のサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

別離(2011年製作の映画)
4.7
アスガー・ファルハディの作品の中では一番わかりやすい。

愛する家族を守るために、嘘をついて、
自分は罪にならないようにするのは
正直当たり前ではある。

ただ、イスラム教だからこそ、
その当たり前ができないことになる。
嘘をつくと、神から罰を受けるからだ。
その神と家族を守ることの間で揺れ動くのは日本だとなかなかない。

ただ、良心の問題であることは日本でも変わらないかもしれない。
娘は主人公が嘘をついていることを見破っている。
そこで感じる恥は、神様から感じるものと同じである。
その嘘は他者にはバレてはダメだ。
特に娘には。

この映画は夫婦の離婚から始まる。
子供のための離婚だ。
その娘から嘘をついた親だと見られた父親、
でも、嘘をつかなければ家族は守れない。
親になるって大変だよな…。
そのことをイスラム教ならではの文化で伝えるのが面白いけど、他人事じゃない。