れこーど

別離のれこーどのレビュー・感想・評価

別離(2011年製作の映画)
4.5
これは良い!イラン映画の真髄を見た気がする。恐るべき完成度。以下少しネタバレします。

イランの家庭の日常を描いている。外国に移住したい妻。実父の介護からそれはできない銀行員の夫。結局離婚する。その夫婦には中学生の娘がいて、すぐ母親が戻ってくると期待して父親の元にとどまる。
日本にも似た話があるので分かりやすいですが、ただイスラム圏の話なのでそこも加味されます。

この話のきっかけが奥さんの移住なんですが、最初わたしには義父の介護の放棄にしか見えなかった。それなら別れようとせずにヘルパー雇えばいいのに?!となる。でもそうはしなかったんです。
つまり原因は別にある。彼女は旦那さんが嫌いになったんです。映画を終わりまで見るとはっきりそれが分かる。もう彼の自分勝手な意見を聞くのが嫌になったんです。これが離婚の根底にある。(今の日本の多くは奥さんの方が折れてなんとか家庭が保てているんじゃないか。私の母親もそうでした。)

もちろんこんな単純な話ではなく、そこに家政婦として雇われた女性が現れる。彼女は妊娠していて、年端のいかない女の子を連れてくる。

さらにその夫も交えての地味なバトルロイヤル?が繰り広げられる。

日常の中の善意や誤解が、他人に勝手な思惑や欲を生むこともあることを教えてくれる。イランという遠くの国で生まれた映画にも関わらず、今の自分に切に迫ってくる人間ドラマとして見事な出来栄えでした。
30代から見ると面白いのかな。